ジュエリーはただ美しいだけでなく、一つひとつに大切な「物語」が宿っているのだなあと、しみじみ感じることがあります。

キラキラと輝く宝石の奥には、贈る人の温かい気持ちや、持ち主の方の特別な思い出が、そっと息づいているのですね。

今日は、そんなジュエリーにまつわる「ストーリー」について、お話しさせていただきたいと思います。

みなさんのお手元にあるジュエリーにも、きっと素敵な物語があるのではないでしょうか。

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世代を超えて輝きを繋ぐ、受け継がれるジュエリー

ヨーロッパの王室では、先祖代々ジュエリーを継承する習慣があり、一般の女性も家族で受け継がれるジュエリーを身に着けることが多いそうです。

私は長年、ジュエリーアドバイザーとして勤務している経験から、これまでに様々なお客様から、ジュエリーに関する貴重なエピソードを聞かせてもらう機会に恵まれました。

その中では、「このネックレスは母が結婚式で着けたもので、私も自分の挙式で着けたんです」とか、「この指輪は、私の成人式に祖母から譲り受けたものなんです」といったお話をきかせてもらい、そのたびに私の胸も温かくなりました。

ジュエリーは世代を超えて大切な想いを繋いでいく、素晴らしい役割を果たしてくれるのですね。

🔶家族で引き継ぐジュエリーは愛情そのもの

例えば、お母様がご結婚の時に身に着けられたパールのネックレス。それを譲り受けたお嬢様が、ご自身の結婚式で身に着ける想像するだけで、なんだかジーンとしてしまいます。

パールの柔らかな輝きは、お母様の愛情そのもののよう。そして、その輝きは、新しい家庭を築くお嬢様を優しく見守ってくれることでしょう。

また、お祖母様が大切にされていたという、少しアンティークなデザインの指輪。もしかしたら、若い頃のお祖母様がお洒落をしてお出かけする時に、心をときめかせながら着けていたのかもしれません。

そんな背景を想像すると、指輪が一層愛おしく感じられますよね。

🔶リフォームすることも可能

家族から引き継いだジュエリーは「デザインが少し古いかな?」と思われることもあるかもしれませんが、そんな時はリフォームという選択肢もあります。

宝石はそのままに、今のあなたのスタイルに合うデザインに生まれ変わらせることで、家族の想いと共に、新しい物語を紡いでいくことができるのです。

それはまるで、大切な記憶を新しい形で未来へ繋いでいくような、素敵な体験になるのではないでしょうか。

私自身も、母から譲り受けた小さなルビーのペンダントがあります。幼い頃、母の胸元で揺れていたそのペンダントは、私にとって母の優しさや温もりを象徴するような存在でした。

今は私が大切に身に着けていますが、ふとした時にその輝きに触れると、まるで母がそばにいてくれるような、そんな安心感を覚えるのです。

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「私」の物語を刻む、自分で選ぶジュエリー

もちろん、受け継がれるものだけでなく、ご自身で選び、手に入れられたジュエリーにも、たくさんの物語が詰まっています。

20代は社会生活を始めて、大人としての人生を歩み始めたばかり。30代~40代という年代は、お仕事で大きな目標を達成したり、人生の新しいステージに進んだりと、様々な節目を迎える時期でもありますよね。

そんな時、「頑張った自分へのご褒美に」と、特別なジュエリーを選ばれる方も多いのではないでしょうか。

例えば、ずっと憧れていたブランドの一粒ダイヤモンドのネックレス。初めてのボーナスを握りしめてお店へ向かった日のドキドキ感や、それを手にした時の達成感は、きっと忘れられない思い出になっているはずです。

そのネックレスを見るたびに、当時のフレッシュな気持ちや、努力が実を結んだ喜びが蘇ってくることでしょう。それは、これからも前に進むための、ささやかな勇気を与えてくれるかもしれません。

あるいは、何気なく立ち寄ったお店で、ふと目に留まったカラーストーンのリング。「この色が好き」「なんだか惹かれる」そんな直感で選んだジュエリーが、いつの間にか自分にとってのお守りのような存在になっている、というお話もよく伺います。

人生に迷った時や、少し元気がない時に、そのジュエリーを眺めることで心が落ち着いたり前向きな気持ちになれたりする。ジュエリーには、そんな不思議な力もあるのかもしれませんね。

大切な人からの想いを形に、贈られるジュエリーの温もり

そして、大切な方から贈られるジュエリーは、言葉以上に雄弁に愛情や感謝の気持ちを伝えてくれます。

プロポーズの際に贈られるエンゲージリングは、まさに愛の誓いの象徴。その輝きには、お二人の未来への希望や、共に人生を歩んでいくという決意が込められていますよね。

結婚記念日や誕生日など、特別な日に贈られるジュエリーもまた、日頃の感謝や変わらぬ愛情を伝える、素敵なメッセージとなるでしょう。

パートナーからだけでなく、ご友人から「いつもありがとう」の気持ちを込めて贈られた小さなチャームや、ご家族からの「頑張ってね」というエールが込められたブレスレットなど、形は様々でも、そこには贈る人の温かい心が宿っています。

そのジュエリーを身に着けるたびに、贈ってくれた人の顔が思い浮かび、心がほっこりと温かくなるのではないでしょうか。

これから紡がれる、あなただけの新しい物語

いかがでしたでしょうか。ジュエリーは、過去の美しい記憶を呼び覚まし、現在の私たちに寄り添い、そして未来への希望を繋いでくれる、本当に素敵な存在です。

今、あなたがお持ちのジュエリーには、どんな物語が秘められていますか? そして、これから出会うジュエリーとは、どんな新しい物語を紡いでいかれるのでしょうか。

もし、お手元にしまい込んだままのジュエリーがあれば、ぜひ一度取り出して、そっと指にはめたり、胸元にあててみてください。そこから、忘れていた大切な思い出が蘇ってくるかもしれません。

そして、もし新しいジュエリーとの出会いを探しているのであれば、ぜひその「ときめき」を大切にしてくださいね。そのジュエリーが、これからのあなたの人生に寄り添い、たくさんの素晴らしい物語を一緒に紡いでくれることでしょう。

ジュエリーは、持ち主の人生と共に輝きを増していくものだと、私は信じています。あなただけの特別な物語を、ジュエリーと一緒に、これからも大切に育んでいってくださいね。

著者プロフィール

小田島佐和子(おだじま さわこ)

ジュエリー・アドバイザー。
神戸の宝飾店に勤務し、日々お客様一人ひとりの魅力を引き出すジュエリー選びをサポートしています。

長年の接客経験で培った豊富な知識とお客様視点を活かし、ジュエリーの選び方、コーディネートのコツ、楽しみ方など、ジュエリーに関する幅広いテーマで記事を執筆。
ジュエリーコーディネーター1級、色彩検定2級の資格を保有し、専門的な見地からも分かりやすく解説することに定評があります。
読者がジュエリーを通して、より豊かな毎日を送れるような情報発信を心がけています。

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