世界最大級のピンクダイヤモンド「ルロ・ローズ」とは? 170カラットもある巨大な原石について


世界最大級のピンクダイヤモンドの原石が、2022年にアフリカ南西部にあるアーガイル共和国で発見されました。

170カラットもある原石は、過去300年に発見された中で最大級のサイズになるとのこと。価格は、カットされるまで推測できないといわれています。


オーストラリアを拠点とする「ルカパ・ダイヤモンド社」が2022年7月27日、170カラットのダイヤモンド原石を発見したと伝えました。

同社の公式ウェブサイトによると、“ルロ・ローズ(Lulo Rose)”と名付けられた原石は、同社がアンゴラのルンダノルテ地方に所有する、ルロ鉱山で採掘されました。

重量が34グラムの原石は、過去300年に採掘された中でも世界最大級のものだといいます。ルロ・ローズは、不純物がほとんどない“タイプ2a”に属するそうです。

ルカパ社のチーフエグゼクティブ、スティーブン・ウェザーオール氏は「ピンク色のダイヤモンドは、1万個に1個しかありません。ですから、非常に大きなピンクダイヤモンドを発見するのは、大変希少なことなのです」と話しています。

ルロ鉱山は、ルカパ・ダイヤモンド社とアンゴラ政府の共同事業です。ルロは沖積鉱山であるため、ダイヤモンドの原石は川底から採取されています。

ルロ鉱山では、ルロ・ローズを含む100カラット以上のダイヤモンド原石が5個採掘されています。


ウェザーオール氏によると、ルカパ社はキンバーライトパイプと呼ばれる地下鉱床を探しており、これがダイヤモンドの主な産出源になると話していました。

これまでピンクダイヤモンドの主産地はオーストラリアのアーガイル鉱脈でしたが、枯渇したことから現在は閉鎖されています。

アンゴラの鉱山は、現在世界でトップ10に入るダイヤモンドの鉱山として知られています。

世界最大のピンクダイヤモンドは“ダルヤーイェ・ヌール(Daria-i-Noor)”と呼ばれる182カラット(36.4グラム)にカットされたものです。原石は、これ以上の大きさであるとみられています。

インドで発見され、その後イランの宝冠の一部となり、現在は同国のナショナル・ジュエルとして保管されています。

2017年にサザビーズ香港で開催したオークションでは、59.60カラット(11.92グラム)のピンクダイヤモンド“ピンクスター”が、7120万ドル(当時のレートで約78億円)で落札されました。

ファインジュエリーの専門家ジョアンナ・ハーディ氏は英『BBC』の取材に対し、ルロ・ローズがどれくらいの価格で取引されるかは、カットされるまで推測できないと語りました。

同氏によると、多くの小売店ではこのような希少な原石を入手したいという顧客が待ち受けているため、ルロ・ローズが一般公開されたり競売にかけられることはないだろうと説明しています。