オーストラリアの王立造幣局の支局であるパース造幣局が、ピンクダイヤモンドを配した限定コイン「ジュエルド・コイ(Jewelled Koi)」を発行しました。

鯉をモチーフにしたコインには、同国のアーガイル鉱山で産出した美しいピンクダイヤモンドが配されています。

限定8個で発売された高級コイン

パース造幣局が現地時間3月15日、同局のマスターピースシリーズの第5弾「ジュエルド・コイ」を8個限定で発売開始しました。価格は1個262,800豪ドル(約2322万円)です。

同シリーズは毎年発表される高級コインのコレクションで、これまでにフェニックスやドラゴン、タイガー、ホースをモチーフにしたコインが発売されています。

5年目となる今回は鯉をモチーフにしており、これまでにパース造幣局が発表したコインの中で、最も豪華なデザインだと評価する声もあるそうです。

アーガイル鉱山とは



西オーストラリアにあるアーガイル鉱山は、ピンクやレッドを含むファンシーカラーダイヤモンドを毎年100カラット近く採掘されてきた、世界でも最大級のダイヤモンド鉱山です。

希少性の高いピンクダイヤモンドを産してきましたが、鉱山は2020年11月に採掘作業を停止し、現在は閉山しています。

アーガイル産のピンクダイヤモンドにはシリアルナンバーが刻印されており、閉山後も「アーガイルピンクダイヤモンド」としてその名が評価されています。

コインには78石のピンクダイヤモンド

パース造幣局長のニール・バンス氏は、リオ・ティント社が所有するアーガイル鉱山を閉鎖したことにより、ピンクダイヤモンドの需要がさらに高まったと語っています。

同氏は“ジュエルド・コイ”について「プレミアムコインコレクターにとって、非常に魅力的な記念品です」と説明しました。

パース造幣局の公式サイトによると、「ジュエルド・コイ」は10オンス(約283.5グラム)の99.99%純金のプルーフ貨幣を打刻したものだそうです。

18Kローズゴールドの鯉には78石のアーガイル産ピンクダイヤモンドが配され、18Kホワイトゴールドの鯉には80石の上質なホワイトダイヤモンドが配されました。

鯉の目には4石のアーガイル産ゴールドダイヤモンドが輝き、蓮の花の間を泳ぐように描かれています。漢字で「錦鯉」の文字も刻まれています。

日本では古くから鯉は縁起物の象徴とされてきましたが、海外でも調和と幸福を意味し、富と繁栄を思わせる生き物として、人々から愛されています。