競売大手サザビーズは現地時間16日、今年4月に香港で開催するオークション「香港ラグジュアリー週間(Hong Kong Luxury Week)」で、15.10カラットのブルーダイヤモンド「デビアス・カリナン・ブルー」が出品されることを発表しました。

最大のブルーダイヤモンドが競売に 


競売に掛けられるブルーダイヤモンドの推定落札額は、4800万ドル(約55億円)ということです。 詳しい日程は現在のところ未定ですが、今後発表される予定です。 

「デビアス・カリナン・ブルー」は15.10カラットのファンシー・ビビッド・ブルーダイヤモンドで、これまでにオークションに出されたブルーダイヤモンドの中では最大となります。

さらに、GIAがこれまでに鑑定した「インターナリーフローレス(IF)でステップカットのブルーダイヤモンド」の中でも最大とのこと。

天然のブルーダイヤモンドは非常に希少で、過去に10カラット以上のブルーダイヤモンドが競売に掛けられたのは10個だけでしたが、それらに15カラットを超えるサイズのものはひとつもありませんでした。 

最高品質のブルーダイヤモンド

「デビアス・カリナン・ブルー」は大きいだけではなく、透明感も最高ランクのIF。そして色も大変鮮やかなビビッドブルーという、まるで奇跡のような美しさです。

原石は2021年、南アフリカにあるカリナン鉱山で発見されました。この鉱山は、世界的にも希少なブルーダイヤモンドの産地として知られています。 

鉱山を所有するデビアス社は、ダイアモンド・カット会社のダイアコア(Diacore)の協力を得て原石のカットと研磨を行い、美しいステップカットへと生まれ変わらせました。 

ブルーダイヤモンドとは

ダイヤモンドは無色透明が一般的ですが、美しい色を呈するものは「ファンシーカラー」と呼ばれ、高く評価されています。

ファンシーカラーダイヤモンドの色の起因は色によってそれぞれ異なりますが、ブルーダイヤモンドは、原子構造の中に微量のボロンを含むことが理由とされています。 

天然のブルーダイヤモンドが発見されることは稀ですが、ほとんどの原石はカリナン鉱山で採掘されています。 

過去の落札記録は?

カリナン鉱山で採掘され、オーバルカットが施された10.10カラットでファンシー・ビビッド・ブルーの「デビアス・ミレニアム・ブルーダイヤモンド」は、2016年4月の香港の競売で3180万ドル(約36億5千万円)で落札されたという記録を持ちます。 

カリナン鉱山ではこの他にも、カラーレスのカット石では最大となる、530カラットの「グレート・スター・オブ・アフリカ」など、有名なダイヤモンドがいくつも発見されています。