タンザニアで小さな鉱山業を営む採掘者が、過去最大級の大きさというタンザナイトの原石を発見しました。発見者は2つの原石を77億タンザニア・シリング(約3億5千万円)でタンザニア政府に売却したということです。

写真:タンザナイトルース

タンザニアの鉱山業者サニニウ・ライザーさん(52)が発見したのは、9.27㎏と5.103㎏という大きさのタンザナイトの原石でした。

9.27㎏は世界最大級、5.103㎏は世界で2番目の大きさという、タンザナイト原石の記録を更新しました。

15年前に発見された3.38㎏の原石が世界最大でしたが、今回の発見はこの記録をはるかに超えるサイズとなりました。

タンザナイトは鉱物ゾイサイトの宝石名で、ティファニー社が名付けたことで有名になりました。

独特の青紫色がキリマンジャロの夕焼け空に似ているといわれ、違う角度から見ると群青色から紫色へと変化する多色性を持っています。

そして、最初の発見場所で今も主要産地であるタンザニアで採取したゾイサイトのみが、「タンザナイト」と呼ばれるのです。

1960年代の発見以来原石の採掘量は年々減少しており、20年後には枯渇するといわれています。


発見者のライザーさんは4人の妻を持っているそうで、原石を売却したお金は、ショッピングモールを建設するなどして、地域の発展に役立てたいと語っているそうです。

周辺には子供を学校に入れる費用がないという貧しい家庭が多いため、家の近くに学校を建てたいとのこと。

ライザーさん自身は十分な学校教育を受けてこなかったため、自分の子供達にはプロフェッショナルに事業を経営してほしいと語っているそうです。

現在は鉱山業経営のほか2000頭の牛を飼育しており、今後も牛の世話を続けていくとのことです。

タンザニアでは不法な採掘者や取引が多いことから、同国の大統領は軍に向けて、タンザニア北部のタンザナイト鉱山の周囲に壁を建設する命令を出しています。

2019年には国内に取引所を建設し、鉱山会社に所属せず手作業を行う採掘者が、原石や金を国に直接売却できるようにしたそうですよ。