古来から宝石は誕生石として選定され、それぞれの国や時代で大切に扱われてきました。

1月の誕生石はガーネットだけとされていますが、長い歴史上では、ほかの宝石も1月の誕生石に選ばれていたようです。

こちらでは、1月の誕生石の歴史をたどるとともに、ガーネットについてのストーリーをお伝えしていきます。


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1月の誕生石の歴史



誕生石の歴史は古く、古代インドのアーユルヴェーダでは誕生石が選ばれていました。

後に誕生石はヨーロッパやアメリカへと伝わり、世界中で統一されるようになりました。

以下では、古代インドから現代までに選ばれた、1月の誕生石の歴史を簡単にご紹介していきます。


古代インドのアーユルヴェーダ

古代インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、宝石療法を用いていました。

この頃、1月の誕生石にはガーネットが選ばれています。

古代チベット

古代チベットでは、誕生石は神秘的な意味があるとして着用されていました。

1月の誕生石には、エメラルドが選定されていたそうです。

古代ヘブライ

現代に伝わる誕生石の起源は、聖書に登場する大司教アーロンの胸当てに配された、12個の宝石であるといわれています。

12個の宝石はイスラエルの12の民族を表し、12星座と関りがあるものとされていたそうです。

古代ヘブライの誕生石はアーロンの胸当てを参考にしており、1月の誕生石はガーネットが選定されています。

ポーランド

18世紀に多くの宝石取引業やカット職人であるユダヤ人がポーランドに移住したことから、誕生石の習慣が広がりました。

ポーランドでは、1月の誕生石はガーネットのみです。

15世紀から20世紀

これまでの歴史と伝統を伝承した誕生石が選ばれました。

1月の誕生石はガーネットだけが選定されています。

アメリカ合衆国

1912年に米国宝石商協会が誕生石を選定し、世界中で誕生石が統一されます。

これまでに何度か更新されており、月によっては2つ以上の宝石が選定されています。

このリストによると、1月の誕生石はガーネットのみが選ばれています。

イギリス

1937年に英国ゴールドスミス協会が誕生石を選定しました。

1月の誕生石はガーネットとなっています。

日本

日本では米国の基準に沿った誕生石を選定しています。

これらに加え、全国宝石卸商協同組合は、2021年12月20日から新たな10種類の宝石を追加することを発表しました。

ただし1月の誕生石はこれまでと同じガーネットのみで、新しい宝石は加えられていません。

1月の誕生石の意味やパワーについて



1月の誕生石は時代や土地などによって、少しばかり違う歴史を持つことが分かりました。

古代ではエメラルドも1月の誕生石とされてきましたが、現在1月の誕生石として正式に選ばれているのはガーネットのみです。

ガーネットとはどんな宝石で、どんな意味があるのでしょうか?

ガーネットの歴史



ガーネットの歴史は大変古く、青銅器時代のころから使用されてきました。

古代エジプトでは赤いガーネットがジュエリーに施され、ファラオなどの王族に愛用されていたといいます。

古代ローマ・ギリシャ時代にはガーネットに彫刻を施したものを印章にした、シグネットリングが流行しました。

中世ヨーロッパでは王侯貴族の間で真っ赤なガーネットが流行し、華やかなジュエリーに加工したものを美しく着飾っていたそうです。

ガーネットという名前の意味



ガーネットという名前は、古代ラテン語の「granatus(ざくろ)」という言葉を由来とします。

ガーネットの赤い色が果物のざくろに似ていることから、このように呼ばれたと伝わります。

和名は、その意味のまま「柘榴石(ざくろいし)」と名付けられました。

ガーネットの種類



ガーネットというと赤い宝石を思い出しますが、実は種類が豊富で、色別に異なる名前が付いています。

こちらでは、ガーネットの色別による種類をご紹介します。

パイロープ

鉄やクロムの不純物を内包するため、血のような赤色を発色するガーネットです。

ギリシャ語で炎という意味の「pyropos」名前の由来です。ボヘミア産は歴史が古く、高品質で知られています。

真っ赤なパイロープは、ヴィクトリア時代に大変流行したガーネットとして有名です。

アルマンディン

パイロープよりも濃くて黒っぽい赤色をしています。

ルチルのインクルージョンを持つため、カボションカットにすると4条のスター効果を見せるものもあります。

ロードライト

パープル系の赤色のガーネットです。

バラの花びらのような発色をすることから、ギリシャ語で薔薇という意味の「rhodon(ロードン)」という言葉が名前の由来です。

スぺサルティン

オレンジ色をしたガーネットで、鉄を多く含むとダークなオレンジ~レッドを発色します。

ドイツにあるSpessart地方が名前の由来です。

ウバロバイト

クロムの不純物を含むこちから、明るいグリーンを発色します。

結晶がもろいという特徴的を持ちます。

へソナイト(グロッシュラーガーネット)

マンガンと鉄を含むことにより、褐色のオレンジ色を発色するグロッシュラーガーネットの一種です。

ピンク・グロッシュラー(グロッシュラーガーネット)

鉄を含有することで、ピンク色を呈するグロッシュラーガーネットの一種です。

原石は、石灰岩の母岩中にピンクの結晶が生成したもので知られています。

グリーン・グロッシュラーグロッシュラーガーネット)

緑色をしたグロッシュラーガーネットの一種です。

塊状で産するものは装飾品に加工されますが、透明な結晶はツァボライトと呼ばれ、宝石として使用されます。

アンドライト

チタンやマンガンを含有するガーネットで、いくつかの種類に分かれます。

デマントイド

クロムにより、エメラルドに似た緑色を発色します。

ダイヤモンドよりも光の分散が高いことから、強いファイアーを放ちます。

特徴的なホーステールの内包物がを含み、ロシア産が最高級品質です。

トパゾライト

黄色い発色をします。

メラナイト

黒や濃い赤色をしています。

カラーチェンジガーネット

太陽光の下では緑色~紫青色ですが、白熱灯の下では赤色に色が変わる、アレキサンドライトのような変色効果を持つ希少な種類です。


ガーネットの意味


フルーツのザクロに似ているとされ、名前の由来にもなったことから、ガーネットは古来から実りの象徴とされてきました。

古代エジプトでは護符やお守りとして、古代ローマでは印章として身分の高い人々に着用されていました。

インドの占星術では、ガーネットは邪気を払い、気持ちを平穏にして前向きにすると信じられていたそうです。

古代から中世の時代には、ガーネットは怒りを鎮めたり、炎症を抑える力があると信じられていたといいます。

ガーネットの宝石言葉


ガーネットの宝石言葉は、情熱、友愛、真実、貞操などです。

大切な相手との絆を高め、夢に向かって努力する力を与えてくれるといわれています。


ガーネットのお手入れ方法



ガーネットはモース硬度が6.5~7と、種類によって硬度が少し異なります。

ガーネットよりも硬度が高い宝石(ダイヤモンド、ルビー、サファイアなど)と一緒に保管すると、傷や欠けの原因となります。保管する時には個別の袋や箱に入れて、湿気や直射日光を避けて置くようにしましょう。

ジュエリーを外した後は柔らかい布でサッと拭き取り、ほこりや汚れを取り去ってから保管するのがおすすめです。

汚れが目立つ場合には、ボールに入れたぬるま湯に中性洗剤を溶かして、柔らかい歯ブラシなどで優しく洗います。

洗い終わったら泡が取れるまで綺麗にすすぎます。その後は乾いた布でしっかりと水分を拭き取っておきましょう。

まとめ


1月の誕生石は、現在はガーネットだけが選定されています。

歴史的には、ガーネットのほかにもエメラルドが1月の誕生石に選ばれていたことも分かりました。

一般的にガーネットはザクロのように真っ赤な色という印象がありますが、グリーンやオレンジ、カラーチェンジするものまで、実は色が豊富な宝石なのです。

1月の誕生石はガーネットだけですが、色の種類が豊富なので、さまざまな色のガーネットを集めてみるのも素敵ですね♪