イギリスのジュエリーブランド「アスプレイ」とは?


1781年にイギリスで創業したアスプレイ(Asprey)は、英国王室御用達店として知られる由緒ある老舗ブランドです。

長い伝統を持つアスプレイは、ジュエリー・時計から小物やテーブルウエアなど、豊富な種類のラグジュアリー品を製作販売し、イギリスを代表する高級ブランドとなりました。

こちらでは、ヴィクトリア女王に愛された宝飾店アスプレイの歴史から、ブランドを代表するジュエリーについてなどをご紹介していきます。


アスプレイの歴史




アスプレイが創業したのは、1781年のことでした。イギリスのサリー州に住むウィリアム・アスプレイが、シルクスクリーンを販売するビジネスを立ち上げたのが始まりです。

暮らしに華を添える優雅なアイテムを売り出したアスプレイは、たちまち成功への道を辿ります。

1841年には、長男のチャールズ・アスプレイがロンドンのボンドストリートにある文具店とパートナーシップを結んで出店しました。

1847年、現在のアスプレイ旗艦店がある、ニューボンドストリートの167番地に移転します。

アスプレイの優れたデザインと高品質のアイテムは、ラグジュアリーを愛する人々から高い人気を得ます。

当時アスプレイを代表する作品は、宝飾品や化粧品などを入れる化粧箱でした。レザー製で美しいデザインの優雅なケースは、この頃流行し始めていた鉄道旅行に伴うアイテムとして、高い需要を得たそうです。

1862年に開催されたロンドン万国博覧会では、アスプレイの化粧箱が金賞を受賞。同年にヴィクトリア女王から、王室御用達店に任命されます。

1889年には、エドワード7世から2度目の王室御用達任命を授与します。

一流デザイナーによるジュエリー・時計の製作をスタート

20世紀に入ると、一流の金銀職人や宝飾・時計技術者を雇い、ジュエリー・時計製作に力を入れるようになります。

1920年代にはアスプレイの名が世界に知れ渡り、アメリカの億万長者やインドのマハラジャなどが顧客に名を連ねるようになりました。

1925年には、メアリー女王がネックレスの製作を注文。娘であるマーガレット王女の18歳の誕生日のプレゼントとして贈られました。

1975年には、エリザベス女王から英国女王賞産業部門を授与。

2006年は創業225周年を祝して、英国紋章院から紋章を受章しています。

2017年に銀座と大阪に支店をオープン、同年に米国ビバリーヒルズ支店は開店20周年を祝いました。

アスプレイのジュエリー


アスプレイのジュエリーは、イングリッシュガーデンや森林から着想を得ています。デイジーやひまわりをモチーフにしたコレクションは、ブランドのアイコン的存在となりました。

19世紀からは、最高品質のファンシーカラーダイヤモンドを扱い始めます。世界中の王侯貴族や富豪のために、数々のダイヤモンドジュエリーを製作。現在もそのクオリティに変わりはなく、世界唯一の優れた美しさを持つダイヤモンドだけを取り揃えています。

ダイヤモンドのほかにも、最高品質のカラーストーンを使用した華やかなコレクションも発表。最新ラインの『コスミック・コレクション』では、宇宙の発見や神秘をテーマに、星や天体をモチーフにした作品が揃っています。

アスプレイ・カット・ダイヤモンド



アントワープの有名なダイヤモンド・カッター、ガブリエル・トルコウスキーによって考案されたカットです。

クッションカットに62面のファセットが施されたデザイン。最高の反射率と強いブリリアンスを放つため、綿密に計算された結果誕生したカット方法です。

アスプレイ・カットが施されたダイヤモンドには、GIAの鑑定番号とアスプレイの頭文字である「A」の刻印が押されています。

豊富なアイテムが揃うアスプレイ

ジュエリーで有名なアスプレイですが、ほかにもシルバーやレザー製品、テーブルウエア、トロフィー、本、ポロ用品なども製作販売しています。

香水や石鹸などのトイレタリーや、バッグ・靴なども販売。プレゼントやお土産を購入する人たちも多いようです。