クロワゾネ(Cloisonne)とは、ジュエリーや装飾品などに使用するエナメル技法のひとつです。
エナメル技法はジュエリーなどの素材となる金属の上にエナメルを流し込んで、色を付けたもので、自然で繊細な色を出し、まるで絵画のような美しい仕上がりになるのが特徴的です。
このようなエナメル工芸法は古代から世界中で使用されており、日本では七宝焼きとして知られています。
今回は、古くから伝わるエナメル技法のひとつ、クロワゾネ技法についてのお話をお伝えしていきます。
同じエナメルを使った技術でも、国や時代によって技法が異なります。
中国は主に青色を使った七宝が有名で、技法によって内填琺瑯(ないてんほうろう)、画琺瑯(画琺瑯)、掐糸琺瑯(こうしほうろう)の3種類に分かれています。
日本では材料や製作方法によって無線七宝、有線七宝、象嵌七宝、ガラス胎七宝、金属胎七宝、透胎七宝、陶磁胎七宝、省胎七宝、箔七宝、泥七宝、ジグソー七宝の11種類に分類されています。
ヨーロッパでは製作法や時代によって、ロンドボス、バスタイユ、ペイントエナメル、シャンルヴェ、プリカジュール、クロワゾネの6種類に分かれます。
アジアとヨーロッパでは技法の呼び方が異なりますが、中国の3つの七宝技法は日本やヨーロッパの技法と同様のものです。このように、伝統的なエナメル技法は世界で受け継がれているのです。
ヨーロッパのクロワゾネ技法に相当するのは、日本の有線七宝と中国の掐糸琺瑯(こうしほうろう)です。
前述したように、エナメル技法は少しずつ製作方法が異なります。こちらで紹介しているクロワゾネとは、金属土台の上に新たな金属を貼って絵の輪郭を描き、絵の枠の中へエナメルを細かく埋めていくという方法です。
このようなエナメル工芸法は古代から世界中で使用されており、日本では七宝焼きとして知られています。
今回は、古くから伝わるエナメル技法のひとつ、クロワゾネ技法についてのお話をお伝えしていきます。
エナメル技法の種類
同じエナメルを使った技術でも、国や時代によって技法が異なります。
中国は主に青色を使った七宝が有名で、技法によって内填琺瑯(ないてんほうろう)、画琺瑯(画琺瑯)、掐糸琺瑯(こうしほうろう)の3種類に分かれています。
日本では材料や製作方法によって無線七宝、有線七宝、象嵌七宝、ガラス胎七宝、金属胎七宝、透胎七宝、陶磁胎七宝、省胎七宝、箔七宝、泥七宝、ジグソー七宝の11種類に分類されています。
ヨーロッパでは製作法や時代によって、ロンドボス、バスタイユ、ペイントエナメル、シャンルヴェ、プリカジュール、クロワゾネの6種類に分かれます。
アジアとヨーロッパでは技法の呼び方が異なりますが、中国の3つの七宝技法は日本やヨーロッパの技法と同様のものです。このように、伝統的なエナメル技法は世界で受け継がれているのです。
クロワゾネとは?
ヨーロッパのクロワゾネ技法に相当するのは、日本の有線七宝と中国の掐糸琺瑯(こうしほうろう)です。
前述したように、エナメル技法は少しずつ製作方法が異なります。こちらで紹介しているクロワゾネとは、金属土台の上に新たな金属を貼って絵の輪郭を描き、絵の枠の中へエナメルを細かく埋めていくという方法です。
仕切られた枠の中へエナメルを流し込むことから、「仕切り壁」の意味を持つ「クロワゾネ」と呼ばれるようになりました。
同じエナメル技法でも、金属を掘ってエナメルを埋めるシャンルヴェや、モチーフ全体にエナメルを貼るロンドボスなど、ほかの技法とは全く異なる製作法となります。
クロワゾネの基となる技術が始まったのは、古代エジプト時代に遡ります。後に東ローマ帝国に引き継がれ、中国や日本へと広がっていきました。クロワゾネが始まった歴史と技法と簡単に学んでみましょう。
古代エジプト
ファラオや王侯貴族のみが着用できる高貴な宝飾品として、ブローチなどに使用されていました。当時のエジプトでは、宝石やペーストと呼ばれるエナメルに似た素材がジュエリーに用いられていました。
キプロス島
キプロス島では、世界で最も古いであろうと考えられているクロワゾネの指輪が発見されています。紀元前12世紀頃の墓から発見されたもので、細いワイヤーを使用して製作されたものです。
東ローマ帝国
東ローマ帝国の時代になると技術が磨かれ、エナメル技法によるクロワゾネ工芸が完成しました。6世紀から12世紀頃に製作された作品は『ビザンチン・エナメル』と呼ばれ、宗教画や肖像画など繊細で色鮮やかな装飾品などが作られるようになります。
8世紀頃にはビザンチン芸術が発展し、繊細なワイヤーや細かいディテールのデザインを使用した装飾品が製作されます。これらの細かい部分にはエナメルを用いて、美しさを表現していました。
特に『ガーネット・クロワゾネ』と言われるジュエリーは、民族移動時代に人気が高まっています。
ガーネット・クロワゾネは当時大流行したため、ヨーロッパのあらゆる場所で発見されています。これらは、赤いガーネットやガラス、エナメルなどを金属の枠内に埋め手作られたものです。
中国
13世紀から14世紀ごろになると、中近東の文化が中国に伝わるようになります。
エナメル工芸品は琺瑯(ほうろう)と呼ばれ、15世紀に製作された青銅を素材とする景泰藍は高く評価されています。景泰藍はクロワゾネと同様の掐糸琺瑯(こうしほうろう)技法で製作されたものです。
日本
中国から日本へもエナメル技法が伝わり、七宝焼きと呼ばれる伝統工芸になります。
最古の七宝は奈良の古墳で発見されており、奈良、平安、室町時代を通して多くの作品が残されてきました。
19世紀には高品質の七宝焼きが製作され、ヨーロッパへ輸出されて高評価を得ました。
ロシア
ツアーリ皇帝時代に製作されたエナメル工芸品は、コレクターにも大変高い評価を得ています。
ロシア皇帝御用達ジュエラーのフレーブニコフや、宝石商のファベルジェによる作品には高い価値が付いています。
紀元前で生まれたエナメル技法は、時代を超えて技術が磨かれてきました。19世紀の日本では、陶芸品にラッカーやアクリルを使用していたといいます。
時代と共に、クロワゾネ技法はさらに磨きがかかっています。現在では自動車のロゴなどを製作する際にもクロワゾネを基本とする技術が使われているそうです。
実は、ご家庭でも簡単にクロワゾネ技法を使ったクラフトを作ることができるのだそうです。ご興味があれば、チャレンジしてみるのもいいかも知れませんね。
同じエナメル技法でも、金属を掘ってエナメルを埋めるシャンルヴェや、モチーフ全体にエナメルを貼るロンドボスなど、ほかの技法とは全く異なる製作法となります。
クロワゾネの歴史
クロワゾネの基となる技術が始まったのは、古代エジプト時代に遡ります。後に東ローマ帝国に引き継がれ、中国や日本へと広がっていきました。クロワゾネが始まった歴史と技法と簡単に学んでみましょう。
古代エジプト
ファラオや王侯貴族のみが着用できる高貴な宝飾品として、ブローチなどに使用されていました。当時のエジプトでは、宝石やペーストと呼ばれるエナメルに似た素材がジュエリーに用いられていました。
キプロス島
キプロス島では、世界で最も古いであろうと考えられているクロワゾネの指輪が発見されています。紀元前12世紀頃の墓から発見されたもので、細いワイヤーを使用して製作されたものです。
東ローマ帝国
東ローマ帝国の時代になると技術が磨かれ、エナメル技法によるクロワゾネ工芸が完成しました。6世紀から12世紀頃に製作された作品は『ビザンチン・エナメル』と呼ばれ、宗教画や肖像画など繊細で色鮮やかな装飾品などが作られるようになります。
8世紀頃にはビザンチン芸術が発展し、繊細なワイヤーや細かいディテールのデザインを使用した装飾品が製作されます。これらの細かい部分にはエナメルを用いて、美しさを表現していました。
特に『ガーネット・クロワゾネ』と言われるジュエリーは、民族移動時代に人気が高まっています。
ガーネット・クロワゾネは当時大流行したため、ヨーロッパのあらゆる場所で発見されています。これらは、赤いガーネットやガラス、エナメルなどを金属の枠内に埋め手作られたものです。
中国
13世紀から14世紀ごろになると、中近東の文化が中国に伝わるようになります。
エナメル工芸品は琺瑯(ほうろう)と呼ばれ、15世紀に製作された青銅を素材とする景泰藍は高く評価されています。景泰藍はクロワゾネと同様の掐糸琺瑯(こうしほうろう)技法で製作されたものです。
日本
中国から日本へもエナメル技法が伝わり、七宝焼きと呼ばれる伝統工芸になります。
最古の七宝は奈良の古墳で発見されており、奈良、平安、室町時代を通して多くの作品が残されてきました。
19世紀には高品質の七宝焼きが製作され、ヨーロッパへ輸出されて高評価を得ました。
ロシア
ツアーリ皇帝時代に製作されたエナメル工芸品は、コレクターにも大変高い評価を得ています。
ロシア皇帝御用達ジュエラーのフレーブニコフや、宝石商のファベルジェによる作品には高い価値が付いています。
時代とともに技法もモダンに
紀元前で生まれたエナメル技法は、時代を超えて技術が磨かれてきました。19世紀の日本では、陶芸品にラッカーやアクリルを使用していたといいます。
時代と共に、クロワゾネ技法はさらに磨きがかかっています。現在では自動車のロゴなどを製作する際にもクロワゾネを基本とする技術が使われているそうです。
実は、ご家庭でも簡単にクロワゾネ技法を使ったクラフトを作ることができるのだそうです。ご興味があれば、チャレンジしてみるのもいいかも知れませんね。