ヴィンテージジュエリーMONET【モネ】の歴史


80年以上に渡って素晴らしいコスチュームジュエリーを製作してきた「MONET(モネ)」。アールデコ全盛期の時代にアメリカでモノグラム製作会社としてスタートしたブランドです。

時代やトレンドの移り変わりとともにジュエリーのスタイルも変え続け、サンローランやディオールのジュエリーも製作。繊細なデザインと技術で作られた作品は世界中を魅了し、現在はヴィンテージとしてコレクターの注目を集めています。


モネの歴史


1927年 米国ニューヨークで、マイケルとジョセフ・チャーナウ兄弟が「モノクラフト・プロダクツ」という名の会社を創業しました。彼らは自家用車のオーナー向けに、名前の頭文字を合金でデザインした「モノグラム」を製造販売していました。この頃は自家用車にモノグラムをつけるのが大流行していた時代だったのです。

1929年 世界大恐慌の影響で自家用車にモノグラムを付ける客が減少していきます。方向転換をして、女性用のハンドバッグや財布用に付けるモノグラムを製造し始めます。アールデコ調にデザインされた合金プレートが、流行の波に乗って大人気を獲得しました。

1929年 プレートに使用していた合金プレート技術を使用した、コスチュームジュエリーの製造を始めます。モノグラム・プレートに似たデザインが多く、この当時製作されたブローチには「モノクラフト(Monocraft)」の刻印が押されています。

1937年 会社名を「Monet」に変更し、ジュエリーの宣伝に力を入れ始めます。この頃の作品は最高品質の素材を使用しています。さらに手作業でペイントされた繊細な作品が多いことから、現在は高い価値が付けられています。

1940年代 米国内のほとんどのデパートでモネ・ジュエリーが販売されます。シンプルなデザインにラインストーンやオーストリアのクリスタルなどが装飾された作品や、ミリタリーから着想を得たデザインなども製作されました。

1950年代 ファッショントレンドの移行とともに、ジュエリーデザインにも変化が起こります。プードルやリボンをモチーフにしたピンバッチや、チャーム付きのブレスレットなどが製作されました。

1955年 モネの専売特許マークが使用され始めます。

1960年代 フープイヤリングや大ぶりなネックレスやペンダント、バングルなどといった存在感のあるジュエリーを製作します。大胆なビブ・ネックレスとイヤリングの3点セットジュエリーが作られたのもこの頃でした。

1966年 ジョセフ・チャーナウが死去し、マイケルは新しいパートナーを探し始めます。

1968年 ジェネラル・ミルズがパートナーに就任し、新しいデザインの作品が続々と誕生します。

1970年代 モネの支店が海外にオープンします。ピアスの人気が高まってきたことから、ピアススタイルのジュエリー製造に重点を置きます。

1980年代 イヴ・サンローランとクリスチャン・ディオールのジュエリーをライセンス製作します。

1985年 「クリスタル・ブランズ・ジュエリー・グループ」の子会社となります。当時人気のあったコスチュームジュエリー会社トリファリとマーベラを買収します。

1994年  社名をモネ・グループに変更。

2000年 6月にLiz Claiborneがモネ・グループを買収、経営の拠点がプエルトリコに移動します。モネ・グループにはモネのほか、トリファリ、マーベラ、チアニ(Ciani)が含まれています。

モネの刻印


モネのジュエリーの全てには、ブランドの刻印が押されています。製作した全作品にブランドの刻印を押すという試みは、コスチュームジュエリー・ブランドとしてはモネが最初でした。刻印のデザインは時代とともに少しづつ変化してます。

時代による刻印の文字の例をご紹介します。

Monocraft (1927-1937)
Monet (1937)
Monet Jewelers
Monet Sterling
Monet (タグ)
Monet (専売特許印)

着けやすいデザインとトレンドを意識


モネは常に流行の最先端のスタイルを取り入れ、時代の移り変わりとともにデザインも変化してきました。合金を使用した繊細なフィリグリーや、サテン仕上げのタッセルを使用したコスチュームジュエリーなどが特徴的です。

Liz Claiborneに経営権が移った後も、モネのジュエリーは製作され続けています。ブランドのピークであった1950年代後半から70年代後半の作品から着想を得たジュエリーを製作し、モネの素晴らしさを改めて見直しています。

トップ画像引用元:https://www.amazon.com/Monet-Master-Jewelers-Alice-Vega/dp/076433722X