ヴィンテージジュエリーとは、現在から20年~100年前頃までに製作されたジュエリーのことです。
1930年以降はジュエリーが大量生産されたことから、世界中で買われた多くのジュエリーが現在ヴィンテージとして出回っています。
一言にヴィンテージと言っても、時代や社会背景とともにジュエリーのデザインも変わってきています。アンティークジュエリーと同じように、それぞれの時代によって流行があり、ジュエリーのスタイルやデザイン、素材などの特徴も変貌を遂げてきました。
こちらでは、ヴィンテージジュエリーをさらに細かく分けながら、時代ごとのスタイルについて語っていきたいと思います。
1935年~1950年代 レトロスタイル
1930年にココ・シャネルがイミテーション素材を使ったコスチュームジュエリーを発表、「高価な宝石を使用することなく、お洒落を楽しむ」といったコンセプトが女性を魅了しました。
本物の宝石を使ったジュエリーから、カラフルな合成石やラインストーンを使ったり、花やリボン、馬、バレリーナ、ミリタリーなどをモチーフにした華やかなジュエリーが流行。
この時代は、グラマラスで洗練されたハリウッドをイメージさせる、エレガントなスタイルのジュエリーが主流でした。
1940年代 レトロスタイル中期
この頃になると、それまでアールデコ調だったデザインがレトロモダン調に変化していきます。ジュエリーのスタイルはより繊細になり、ヴィクトリアン風のリバイバルも流行しました。
プラスチック製のジュエリーも大量生産された時代で、アメリカらしい独特のスタイルを持つ作品が米国で多く生産されています。
当時は第二次世界大戦の影響で、ヨーロッパでは多くのジュエラーが閉鎖に追いやられた結果、米国に渡ってビジネスを始めました。
1945年~1960年 アートモダン時代
アートモダン時代になると、レトロスタイルのジュエリーの人気が衰退し、新しいスタイルが取り入れられるようになってきました。
大きなラインストーンを散りばめた花やリボンのモチーフや、大きなビーズや合成パールを連ねたネックレスなどといった、大胆で華やかなデザインが主流となります。
さらにクリスマスツリーのブローチなどといったクリスマスをモチーフにしたデザインや、太くて大きなブレスレット、チャームブレスレットなどが流行しました。
1960年~1970年代
アールデコのリバイバルが流行、ラインストーンを使用したジュエリーが製作されました。
60年代後期にはサイケデリックの流行に合わせて、アールヌーヴォーがリバイバル人気に。カラフルな色使いに、昆虫や女性をモチーフにした特徴的なスタイルが主流となりました。
1980年代
ゴールドやシルバーなどを使ったジュエリーなどが主流になります。
プラスチックやフェザーなども使用され、原価の安い国から材料を輸入したり、現地で大量生産することにより、安価で製作できるコスチュームジュエリーが増加した時代でした。
ほかの時代と比較してもヴィンテージとしては状態が良いものが多く、未使用のままであったり、一度着用しただけというものもかなりあるようです。
ヴィンテージを楽しむ
ジュエリーデザインは、それぞれの時代とともに移り変わってきました。
その中でもヴィンテージジュエリーは比較的状態が良く、独特のスタイルが特徴です。こういった理由から、ヴィンテージジュエリーの人気は世界でも非常に高まっているようです。
近頃、ヴィンテージジュエリーの需要が、世界的に高まっているようです。比較的安価で入手できるコスチュームジュエリーから、高い価値のある高級宝飾店のジュエリーまで、数多くのアイテムがヴィンテージショップやオークションなどで販売されていますよね。
ヴィンテージジュエリーの魅力は、新しいジュエリーとは違う独特のしっとりとした風合いと、再生することのできないその時代独特の個性なのではないでしょうか。