2018年10月12日に、ユージェニー王女の結婚式がウインザー城で開催されました。ユージェニー王女が着用したウェディングドレスは、イギリスを拠点にするデザイナー、ピーター・ピロットとクリストファー・デ・ヴォスによるものでした。

ネックラインから肩にかけて美しく流れる線が背中でⅤ字に開き、ふわりとしたドレープに広がる美しいデザインのドレス。清楚でプリンセスらしい可憐な雰囲気が漂っています。


手術痕が残る背中を見せたドレスを選んだ理由


実は王女は12歳の時に脊柱側弯症を治療する手術を受けており、その際の手術跡が背中に残っているのです。手術跡を見せるデザインのドレスを選んだのはユージェニー王女自身でした。過去に「同じ病気を持つ子供たちに、手術の効果を知ってほしい」「自らの手術跡を見せることで、美の定義を私たちの手で変えていきたい」とも語っていました。

ウェディングドレスには、カップルに関する大切なモチーフが用いられています。新郎ファーガソン氏の家系であるアイルランドを象徴するシャムロック、ふたりの家族のシンボルであるヨーク・ローズとアイビー、そしてバルモラルがふたりの思い出の土地であることから、スコットランドの国花あざみなどが選ばれています。

クイーンマザーから引き継いだティアラを着用


この日美しいウェディングドレスをまとったユージェニー王女に華やかさを添えたのが、輝かしいエメラルドとダイヤモンドのティアラでした。

このティアラは1919年に製作されたもので、ロシア皇帝で流行したココシュニク・スタイルのデザインが用いられています。

ティアラはもともとロナルド・グレヴィル夫人が所有していたもので、1942年にクイーンマザー(現在のエリザベス女王の母親)に引き継がれました。その後エリザベス女王がティアラを受け継いでいます。

ブリリアントとローズカットが施されたダイヤモンドがパヴェセッティングされた、プラチナ製のティアラには、合計6石のエメラルドが配されています。

ティアラのセンターに配されたエメラルドは93.70カラットという大きさ。このティアラは、公共の場で見られることは滅多にないそうです。

ペアのデザインと思われる、ダイヤモンドとエメラルドのドロップイヤリングも、美しいユージェニー王女の横顔をより華やかに彩っていましたよね。